
文部科学大臣が指定した学校又は厚生労働大臣が指定した診療放射線技師養成所において、3年以上診療放射線技師として必要な知識及び技能の修習を終えたものが診療放射線技師国家試験の受験資格を得られる。他に、外国において同等の資格を有するもので、特定の条件を満たすものにも受験資格が与えられる。
診療放射線技師法にて、人体に害を及ぼす恐れのある診療放射線を照射できるのは、診療放射線技師および医師・歯科医師のみと規定されている。ただし歯科医師に関しては顎口腔領域の治療及びそれに資する場合を対象とすzるとされ、口腔癌の予後観察における肺転移可能性排除のための歯科医師による胸部撮影判断を認定した判例などがある。医療行為として人体に放射線を照射するため、放射線の物理特性や医療機器の特性の理解、照射する放射線量の最適化、人体への作用・影響の熟知、患者心理の対応等に関する知識を十分に備えた上で行うのが原則である。
従って、前述の資格を有しない者による人体への放射線照射は違法行為である(業務独占資格)。
毎年1回、診療放射線技師国家試験が実施される。試験科目は以下の14科目、総問題数は200題、合否判定は正解率60%であると言われている。なお、近年、試験内容の改正が行われ、2004年3月実施の第56回の国家試験から以下に示す新しい科目構成となった。従来の試験に比べて、臨床・医学分野により重点を置くようになり、解剖学、画像の読影、基本的な疾患の病態や検査技術を問う設問が大幅に増加した。また、平成21年の診療放射線技師法施行規則改正により、同年9月1日より試験名称が「診療放射線技師試験」から「診療放射線技師国家試験」となった。
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診療放射線技師の学歴に関しては、従来は短期大学もしくは専門学校の出身者が多く見受けられたが、近年では診療放射線技師の高学歴化が顕著となり、四年制大学、さらには大学院出身者が大幅に増加する傾向にある。博士号取得者も増えてきている。主な学位の種類は、博士(保健学)、博士(医学)、博士(工学)、博士(理学)などである。
診療放射線技師養成校も、従来は短期大学と専門学校が主流であったが、現在ではほとんどの短期大学および一部の専門学校が四年制大学に移行し、大学がそれ以外の養成校よりも入学定員数の多くを占めるようになったため、診療放射線技師の養成は大学教育が主流となった。
医療職を大きく分類する際(特に公立医療機関において)、医療職(一)を医師、歯科医師、医療職(二)を薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士等、医療職(三)を看護師、准看護師、保健師、助産師とする場合が多いが、医療職(一)の医師・歯科医師は従来より六年制大学教育となっているのに対し、他は薬剤師を除いて専門学校から四年制大学まで多岐にわたる。近年、薬剤師が六年制大学教育化され、医師、歯科医師と同等の学歴となったが、他職種も薬剤師と同様に四年制(将来的には六年制あるいは修士)と教育体制が拡大していく傾向にある。特に、診療放射線技師と臨床検査技師はその傾向が顕著である。
「診療放射線技師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、医師又は歯科医師の指示の下に、放射線を人体に対して照射することを業とする者をいう。(診療放射線技師法第2条第2項)
また、MRI、超音波検査、(無散瞳)眼底写真のように、放射線を利用しない検査を行うこともある(MRI・超音波検査・眼底写真はいずれも臨床検査技師および看護師が行うことができ、視能訓練士は散瞳眼底写真撮影ができる)。 他に、対患者以外の業務として、撮影データの画像処理、放射線治療における治療計画(線量計算)、放射線利用の安全管理、放射線診療に用いる機器・器具の管理等、職種の専門性を生かした業務も行う。診療放射線技師は医療機関以外においても、行政、原子力発電所、工業(放射線を利用した非破壊検査)、研究所、教育機関など幅広く活躍している。
※医療機関における放射線診療に用いる機器・器具の安全管理者は診療放射線技師あるいは医師・歯科医師である必要がある。
診療放射線技師の行う業務、あるいはその行為に用いる放射線の種類は、診療放射線技師法で定められている。当該法令では、放射線とは次に掲げる電磁波又は粒子線を指す。なお、法令では一般に、X線をエックス線、α線をアルファ線と示すように、カナ表記を用いている。
アルファ線及びベータ線
ガンマ線
100万電子ボルト以上のエネルギーを有する電子線
エックス線
その他政令で定める電磁波又は粒子線
以下に、診療放射線技師が医療で用いる放射線の具体的な業務内容を示す。
国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告では、人体に対する放射線照射に伴う有益性(放射線診療)と欠点(放射線被曝)を適切に判断し、放射線照射行為の正当化を図ることは医師・歯科医師の義務であり、一方、その放射線照射行為の最適化を図る(必要最低限の線量で最大限の効果を生む)ことは、診療放射線技師(医師・歯科医師が照射を行う場合は当事者)の義務である。
医療における放射線の利用は、元々医師によって行われていたが、放射線診療技術の高度化に伴い、高いレベルでの専門知識や技術を身につけた専門職として診療放射線技師の職域が形成された。一般に、診療放射線技師以外の医療職も、従来の医師の分野から派生した職域が多く存在する。現在、医師が自らX線撮影やCTなどの検査を実施することは非常に少なくなり、高度な放射線検査の技術を身につけた診療放射線技師が専ら行っている。医療分野においても、細分化・分業化が進んでおり、現代の高度なチーム医療の一員として、診療放射線技師は不可欠となっている。